▼トヨタ自動車のスマートシティー「Woven City(ウーブン・シティ)」の建設が2021年2月23日に始まった。

▼敷地面積は70.8万m2 東京ディズニーランド約1.5個分、2000人以上が暮らす街に。

▼どんな街になるのだろうか。誰が住むのか。抽選で選ばれるのか、気になる。

▼ニューノーマルの街を想定すると東京一極集中でない新たな街作りとしての期待も。

▼街づくりで思い出すのは「祝祭空間」の考え方だ。かつてのセゾングループ創業者堤清二が唱えた街づくりの根底に祝祭都市の考え方があった。ヨーロッパの街、京都の街のように継続的な街づくりの考え方だ。

▼欧米モデルで街づくりの参考にしたのは①ドイツのバーデンバーデン ②そしてテキサス州のサンアントニオ

▼①ドイツのバーデンバーデンは由緒ある指折りの保養地。その歴史は、紀元前80年まで遡り、この地を占領していたローマ人により次々と温泉浴場が造られた。

▼②テキサス州サンアントニオ 街の中心部にはリバーウォークが作られ、川辺りには、レストラン、ホテル、コンベンションセンターが集まり賑わいをみせている。

▼当時のセゾングループではこういった祝祭都市事例をベースに渋谷パルコ、有楽町西武、つかしん、長浜楽市といったショッピングセンターを作っていった。現在のモール含めたショッピングセンターの原型がそこにあった。

▼TOYOTA裾野のWoven Cityの目的は企業内敷地における道交法に影響を受けない自動運転検証にあることは相違ない。

▼しかしながら、ニューノーマルにおけるワーケーションの高まり並びに日本における限界集落等課題解決の上で、祝祭都市の考え方をベースとしたDXを駆使したスマートシティ創造の可能性を検証してみたい。

▼コトラーのリテール4.0 デジタルトランスフォーメーション時代の10の法則にある「不可視であれ」はまさにその考え方に根付くものである。

▼「不可視であれ」というのは、「こんな新しいテクノロジーを使っているよ」と誇るのではなく、消費者、そして生活者にとってごく自然に受け入れられるような形でリテールの場、街そのものを構築していく必要があるということ。

▼この「知見ラボ」の吉岡研究室においては先進のさまざまなDX事例を取り上げながらも、生活者に寄り添った小売そのもののあり方を再検証、不可視のショッピング空間、街づくりについて述べてまいります。

「TOYOTA裾野woving city着工記事に想う。  「街」って何。不可視であれ。」への3件のフィードバック

  1. おめでとうございます。
    投稿拝見致しました。
    まさに、ニューノーマル時代創出に
    相応しい投稿。
    夢がありますね~。
    引き続き、宜しくお願い致します。

  2. フジイ様、あいがとうございます。
    お気づきの点はなんなりと。
    よろしくお願い致します。

  3. 「道交法に影響を受けない自動運転検証」というところがキーであると感じる。福島県浪江町、福島第一原発で大きな被害を被ったこの町では、「イノベーションコースト」構想を既にスタートしており、水素エネルギー、ドローン運転、ロボット実験、自動車運転検証を行っている。そのために200ヘクタールという民間地を一件一件地権者を探した出して説得して、このイノベーションコーストとしたそうだ。
    お涙頂戴の感動ポルノを毎度テレビは流す中、しっかりと将来を見据えて新しい価値観に向かって町作りをしているところはある。トヨタと福島県浪江町、何の関係もないこの二者の見据えている将来は極めて近似しているところが面白い。

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