▼ パソコン通信、草の根BBSと呼ばれた時代からネットを使った交流をしてきた。多くの大事な友人もそこで得たし、それまで知らなかった知識も知ることができた。しかし、最近、Facebookなどに書き込むことを殆ど止めてしまった自分がいる。なぜならば「怖い」からだ。

▼ 多くのSNSでのトラブルが数をどんどん増している。パソコン通信時代にも変な参加者はいたが、それをたしなめようとする良識ある参加者も多かった。が、今は「炎上」する、しかも写真や酷いときは個人情報付きで。完全なリンチだ。しかも、相手を知らないでやるリンチ、見方によってはテロかもしれない。

▼ NHKスペシャルで数日前にやっていた「不寛容社会」は見ごたえのあるものだった。流行のタレントだけではなく、心理学者、脳科学者なども交えての議論は、相手を凹ますことで自分を認めて貰いたいという「承認欲求」がいかに強まっているかを痛感させた。

▼ 脳科学者の実験によれば、無作為に集団をチームにわけて帰属意識を強くさせると、お互いにいがみ合うようになるのだろうです。また、Aに賛成・反対の意見のツイッターはfacebook上での議論は、交わること(つまり意見を途中で変えること)が殆どないとのこと。建設的な議論をしたいのではなく、「相手を凹ます=自己を承認してもらうために書いている」、ということなんだと。

▼ 演劇の鴻上さんも出演していましたが、「以前は演劇を見た後、居酒屋で『良かった』派と『くだらなかった』派が激論をしたが、最近は居酒屋に行かずに家に帰ってツイートして意見を言う」と。なるほど、呑みニケーションが出来なくなったことによる管理職の戸惑いと同じですね。

▼ 希望があるのかないのかわかりませんが、心理学者の先生が「すべての技術は良い方にも悪い方にもすべてを加速させる。」と仰ってました。常に利便性とマイナス面を意識して技術は使わねばならないのかもしれません。