< 明けちゃいました >
 クリスマス前からの盛り上がりと、年が明けてからのがっかり感は、なんなんざんしょ。一番端的なのは、紅白歌合戦の盛り上がりのあとの、行く年来る年の静けさの中、12時を超えて「明けましておめでとう。ほな、寝よか。」という、あの感じ。
 
 ふと気づいたら、仕事始めと相成っておりました。「人生とは重き荷を背負う歩くものかな 家康」ってな感じです。
 
 さてさて、年末年始で盛り上がるのは、新しい年はどうなるのか?、という企画番組。どうなるって、あーた、野田さんが「こりゃ、このままじゃあかんで」と民主党惨敗の責任を覚悟して選挙して、安倍さんが「オレらもちくと反省しとるんじゃ。やらせてくれや。」と、がんがんと過激発言した途端の円安、株高。ちなみに今日は日経225が10,700円、円ドルが88円乗りました。
 
 そんなこんなしたら、出来レースではありましょうが、米国の「財政の崖」はとりあえず二ヶ月間回避、いつのまにかギリシャ国債も格上げされちゃって、マジですか?、って感じ。秋頃から閉鎖の準備をしていたヘッジファンドなんかは、ウホウホ状態だったりして。世の中、何がどう動くかわかったもんじゃありません。
  
< おっさん、おめえがグローバルじゃねえよ >
 今日もテレビで10年後、20年後の日本はどうなるのかということを議論するという番組をやっているのですが、もうこれがそもそもダメダメ。
 
 企業価値の算定とかでDCFという計算式を使うんですが、この前提条件として、(1)その企業がどのくらいの業績を今後出せるか(業績予想)、(2)その企業の属する国の経済成長率がどのくらいか(GDP成長率)、(3)長期国債の金利が幾らか(リスクフリーレート)などということを予想します。あーた、10年後とか20年後とかの数字予想できます?。
 
 そもそも欧州経済危機を見ていると、10年後に国が存在しているかどうかさえわからんのでありますぞ。なのに、「日本の10年後、20年後」なんて超難問を1時間やそこらの番組でやろうなんざ、不遜としか言えないのではないかと個人的には思うのであります。
 
 実は番組始まって怒り出したのは私ではなく、子どもでした。「グローバル化の中で日本から海外への留学生の数は減っており、このままでは三流国になる」という趣旨の答えを引き出すクイズを見て、怒る怒る(苦笑)。
 
 そりゃそうですわなあ。今の若い子は外国人に話しかけられても全然臆さないし、友達だっているし、そもそも子どもの頃から親と一緒に海外旅行行ったり、学校のプログラムで世界のあちこちにホームステイしに行っているんですぞ。論説委員やら、評論家やらよりも遙かにグローバル。ヒップホップも踊れちゃうしね。
 
 むしろ、純ジャパニーズ的組織の中でグズグズになって、赤ちょうちんで憂さを晴らすしかないおっちゃん、おばちゃんよりも、既にグローバルなのであります。いやいや、グローバルとかグローバル化という言葉が彼らには死語。
 
< わずか150年の出来事 >
 唐突に話は変わるんですが、三が日の最後の昨日、初詣に行ったのですね。で、ふと見つけて行ったのが吉田松陰を祀っている松陰神社。いうまでもなく松下村塾で高杉晋作などの逸材を生みだしたにも関わらず、非業の死を迎えるわけですが、享年30歳。ちなみに高杉晋作は享年26歳(のはず)。それから数年で明治維新ですね。
 
 また、その夜に東京オリンピックで「東洋の魔女」として名高い女子バレーの全ゲームの幻の映像が発見されたのを見たのですが、それが昭和39年。終戦は昭和20年ですから、まだ19年しか経っていないわけです。
 
 翻って、オイルショックでパニックが起きたのが1973年で、それを糧に小型車で日本の自動車会社がグローバルに成功したのが1980年代。1985年頃は円高不況で閉塞感がありましたが、その数年後に空前の大バブルが来て、はじけたのが1991年。消費税入れたのが1997年。ITバブルは1999年からで、9.11が2002年、リーマンショックと民主党政権が2008年。
 
 この間、わずか150年の出来事。さぁ、これを誰が予想できたでありましょうか。
 
< 生きてるだけで丸儲け >
 つまりは誰も予想なんてできないんですな。当たるわきゃぁない。
 
 人間にできるのは、ただひたすら、今日よりも明日が良くなれと念じつつ、生きていくことしかないのであります。良い時もあれば、悪い時もある。春の来ない冬はないし、朝の来ない夜はない。でも、禍福はあざなえる縄のごとしでありますし、「やっちゃえ!」とやってみたら、失敗することも良くあることよ、と。
 
 そうした中で、10年後だの20年後だの考えてみても意味がない。頭の体操にはなるかもしれませんがね。ましてや、三日や四日飲まず食わずでも好きなことはやるだけのバイタリティがあり、良い意味で無知、無茶な若者をつまらん番組でdiscourageすることに何の意味があるのかと。
 
 諸行無常、世の中何がどうなるかわからないからこそ面白いし、しんどいのよと。そう語るのが大人というものではないのかねぇ。「生きているだけで丸儲け」、これを娘の名前にしちゃった明石家さんまさんは凄い人だと思うのであります。