<若者の嫌韓、嫌中国>
 韓国との竹島、中国との尖閣諸島の問題がかまびすしい。正直言って、米国の韓国人街のストリートの名前を「慰安婦通り」にするだの、「これまでのすべてのことは日本に責任がある」という中国外務省のニュースは、もうひとかけらも見たくない気分だ。

 ところが、もっと嫌なのが、2ちゃんねるなどの巨大掲示板やSNSで「嫌韓」「嫌中国」の波が若者層に広がっていることだ。「そんなに嫌なら、在日朝鮮人は帰国帰国しろ」「在日利権を許すな」「日韓スワップ協定を破棄しろ」云々….。これらのコメントを読むのは本当に辛い。

 なぜなら、結局は日本も韓国や中国と同じく抱えている悩みが噴出していることを見ているにすぎないから。

<何故に竹島で、何故に尖閣諸島にこだわるか>
 韓国の景気後退は韓国の統計数値を見るまでもなく、日経新聞にさえ載るようになった。失業率は7月でも4%だが、これは日本の失業率統計と同じく、就職活動を諦めて活動をしていない人間を入れていないので低く押さえられている。Samsungのように素晴らしい成績を収めている企業を除外すると、極めて厳しいようだ。

 加えて、現大統領の任期切れが迫っている。これも既に報道されているところだが、これまでの韓国大統領の過去の例に漏れず、スキャンダルが発覚しそうだ。つまり国内事情は決して良いとは言えない。

 中国については言うまでもないだろう。尖閣諸島の件は、他の国とも領海領土問題を起こしている国への警戒心を煽ることとなった。日本としては中国市場での販売不振や事業所経営の方が影響大なのだけれど、国際的に見れば、一時期安定していた中国のカントリーリスクが高まっているという点で警戒心を持たざるを得ない。

 そして何より経済面でリーマンショックを支えてきた膨大な設備投資、インフラ投資の破綻が見えて来つつある。わかりやすいのは不動産バブル。金余り→不動産バブル→金融引き締めor景気低迷→バブル破裂→バランスシートデフレにおいては日本が先進国だ。米国にしても、英国にしても、スペインにしてもすべてこれでやられている。

 中国で建設されたあの膨大なマンション群(しかも居住者は殆どなく、転売目的)は果たしてどうなるのか?。越後湯沢で起こったリゾートマンションブーム、北海道拓殖銀行の破綻の原因となった北海道リゾート開発、そしてバブル期のリゾート法(覚えていますか?)を考えると、震えが来る。

<自国の辛さから目を背けたいもの>
 要は、他国のことを責めるときは自国に問題がある時だ。目を外にそらして、そのうちにナイナイしてしまおうという腹である。だから、とっくに国際法上は解決している賠償責任を持ちだし、道義的な問題である従軍慰安婦を持ち出し(その道義的問題ですら日本は有志が募金を募り謝罪もしている)、大日本帝国時代の日章旗を持ち出してなんとか日本悪玉論をしかけようとしている。

 そういう状況であることは韓国、中国、そして日本にする韓国籍や中国籍の方々にとってはとても辛いことだろう。それも理解できず、歯には歯をで罵詈雑言を浴びせかける日本の一部の若者(オジサンもいるのかもしれないが)には、「書を捨てよ、外に出よう」と寺山修司氏の名著のタイトルを呼びかけたい。

 韓国が、中国がオカシイと思うならば、行ってくればいいのだ。本当にかの国の人々が何をどう思っているのか聞いてみれば言い。さすがに日本のパスポートを持っているからと言って、殺されはしないだろう。嫌みや皮肉は、事前に桜井よしこさんの著作で予習してきちんと反論出来るようにすればいいだろう。

 言ってみれば、多分韓国のメシは旨く、中国の朝がゆは最高であるに違いない。そして、成長する国のバイタリティに心動かされるはずだ。帰りには同じく日本が植民地にしたにも関わらず、親日的な台湾に寄ってくるが良い。なぜ同じ植民地であった韓国と台湾がこれほど日本に対する態度が違うか、その背景をしれば、韓国の悲しみがわかるだろう。

<パソコンを切って、バックパッカーになれ>
 陰謀論めいていてお恥ずかしいが、この日中韓の分裂騒ぎはどうも誰かに仕掛けられているように思えてならない。なぜならば、東アジア、東南アジアが連合すれば欧米主導の世界は崩壊しうるからだ。

 最も効率的に戦に勝つ方法は、敵の仲間割れを誘うことであると誰かの兵法に書いてあった。だからこそ、組織に動揺が走った時はデマゴーグを流す専門のスパイが入り込んでいるのであり、戦においては極めて効果的だ。

 筆者は東アジア、東南アジアにイスラム社会が同盟を組んだ時を夢想する。イスラムは歴史的にも欧米とは相容れない。同じ有色人種(これも無礼な表現だが)であり、相手の宗教に寛容な日本という国の人間は柔軟に対応できるだろう。本当の政治家はそういうことを考えるべきであり、解散するのしないのケツの穴の小さいことを言っている時ではない。

 今こそ若者はパソコンの電源を落とし、リュックをしょって、バックパッカーとなるべきだ。円高だし、ニートで引きこもるよりも少なくとも気持ちは良い。引きこもりといったって、我々なんかよりも遙かに英語力はあるし、物怖じしない。「跳べ!」、それこそがこの閉塞した日本を救う道である。

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