第二回では、前回の顧客コミュニケーション視点に続き、Hi&LoとEDLPといった2つのアプローチ手法における店頭オペレーション視点からの考察について論じていきたい。

■店頭オペレーション視点

【Hi&Lo型アプローチ】

Hi&Lo型アプローチにおいては、前述のとおり特売商品を顧客が店頭にて認知しやすいよう大量陳列、多箇所展開をはじめ専用サイン・POP設置、商品入替、価格変更等の店頭作業、さらに大量に納品した特売商品のバックヤード管理等、店舗オペレーション上、非常に多くの人時を投入することとなる。

また特売期間中においては、通常時以上にレジでのチェックアウト体制をはじめ、商品補充、売場メンテナンスに人時を割く必要があり、状況によっては店頭欠品による機会ロス発生、レジ待ちによる顧客のストレス増に繋がることとなる。

特売終了時にも、当然のことながら売場復元、価格変更戻し等に人時投入を図ることとなるが、店頭の乱れや売価アンマッチ等、顧客との信頼関係に影響を与えるようなリスク発生も否めない。

特に特売商品が販売計画数量を大きく下回るような状況では、特売残品による在庫生産性ダウン、処分のための更なる値下原資の創出等、副次的なネガティブ因子も内包することとなる。

このようにHi&Lo型アプローチにおいては、特売時の需要予測はもちろんのこと、店舗における人時をいかに効率的にコントロールし、売上・利益の最大化を図っていくかが、重要なポイントとなる。

近年においては、店舗人時生産性の観点からもレイバー・スケジューリング・プログラム(LSP)の精度向上、徹底に向けたリーン、マルチタスク型オペレーションを追求する小売企業も多々みられている。

【EDLP型アプローチ】

EDLP型アプローチにおいては、前述のとおり定番商品をEveryday Price(通常価格)で販売することが主体となることから、Hi&Lo型アプローチに比べ、店舗作業の平準化が進めやすい側面を有する。

日々の顧客の購買動向を理解し、需要予測に基づく品揃展開や商品供給を適正に実施することは、どちらのアプローチにおいても重要な要素であるが、EDLP型アプローチにおいては、店頭で欠品することなく顧客が欲しい商品を欲しいタイミングで、いつでも購入でき、さらに快適なショッピング体験を体感できる売場環境を構築することが店舗への信頼感、ロイヤリティの向上を図る上で、より重要となる。

基本的に品揃政策、モジュラー構築については、本部主導で行われるケースが大半であり、また需要予測に基づき自動補充システム等を活用し、商品供給量の適正化、並びに店舗での発注、品出し作業の軽減を進める小売業も多々みられる。

一方で地域、個店によりシーズンの入りやイベント等のタイミング、またデモグラフィック視点での特性が異なることも考慮し、店舗、本部間でしっかりとコミュニケーションをとった上で、微調整を図っていくことも重要である。

特に店頭オペレーションにおいては、顧客に快適なショッピング体験を体感してもらうという点に留意する必要がある。清潔で鮮度感のある売場管理、接客態度、レジ待ち解消、品切れ・売価アンマッチ撲滅等、すべて基本的な業務ではあるが、顧客がストレスを感じず快適に買い物が環境を構築していくことが、将来的に顧客の信頼感、ロイヤリティ向上に大きく寄与することに繋がる。

EDLP型アプローチにおいては、このように店頭で顧客が感じるエモーショナルな要素を大切に考えることが、価格、品揃といった物理的、機能的な欲求を満たすことに加えて、重要であることを理解する必要がある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です