▼ いよいよ明日10/1から消費税が10%となる。1989年に贅沢税であった物品税の代わりに導入するのだと強弁した竹下登先生は草葉のかげでさぞやおろこびであろう。もっとも、彼を始め歴代の政権が意図したような福祉に使われているとは甚だ言えない気がするが(軽減税率を適用してもらった新聞と複雑な税率計算をするたびに買い換えられるレジスターや電卓メーカーにはメリットがあったかもしれないが)。

▼ 所得によらず、消費という行動によって税金を徴収する公平性については筆者は十分な論をはるだけの知識がないので、ここでは触れない。しかしながら、今回から適用される軽減税率とやらの使い勝手の悪さは一体何なんだ。さらにひどいのは、プレミア商品券でのバラマキに加えて、資本金5,000万円以下の「税法上の」中小企業にはキャッシュレスで支払った場合は5%のポイントが付くことだ。

▼ キャッシュレス、キャッシュレスとかまびすしいが、多くのなんとかペイのキャッシュレスはほとんどがクレジットカードとの紐付けだ。本来ならばクレジットカード手数料がかかるのだから、店にとってはありがたくない話だろう。しかし、なんてったって5%だ。しかもなんとかペイは大盤振る舞いで独自のポイントまでくれる。このポイントを集めるのが「ポイ活」というのだそうで、それをするのが賢い主婦なんだそうだ、くだらん。

▼ この対象になりたいがばかりに、もっとあった資本金を減資という方法で減らして5,000万円以下にしている企業も多いとメディアに出ていた。資本金というのは、ざっくりいえば、企業の大中小のレベルを示す大事な指標だ。それをたかだかポイント還元がほしいために減らすかね。企業人のレベルのお里が知れるというのは言いすぎだろうか。

▼ しかもこれ、10/1から九ヶ月感だけなのだ。来年の6月にはなくなる。多分なんとかペイもそのときにはポイントの大盤振る舞いもやめるだろう。キャッシュレスのための機会を導入させられた小売業はいい面の皮だ。いちばんいいのは、「うちは来年の6月までしかやりやせんぜ。それでよければやりやしょう。でも、面倒くさい手間は全部あんたんところでおやんなさいな」と言うことだったろうし、言った小売主もいるだろう。でもなあ、そうすると、消費税導入の反動はいつなのか読みにくいですぜ。通常だと10/1以降に反動出るけど、中小企業向けキャッシュレスポイントが来年の6月まであって、中小企業向けじゃないところにもなんとかペイは大盤振る舞いしているからいったい10/1以降の消費の本当の姿はわかりません。

▼ 財務省や経産省、総務省統計局のデータがどうなるかは注目ですなあ。