▼ わずか数日前の英国EU離脱が数週間前のように感じてしまうこのスピード感は何だろう。筒井康隆さんの短編で、突然街で人が一定方向を歩き始め(ハメルンの笛吹きの子供のように)、その流れに押し流された主人公が行き着いたのは、時間が滔々と流れ落ちる滝だったというシュールなものがあるが、それを思い出してしまう。

▼ EU離脱に関する評価は千差万別で、中には「影響はまったくありません」というエコノミストも出てきたりして、正論の逆の逆の逆の逆の….をいえばそれだけ聴いてくれる市場はあるのかしらねとイヂワルなことも考えたりする。

▼ ただはっきりしているのは、もう誰も先が読めない混迷に入ってしまったことだ。米国大統領選挙、ISISをはじめとする中東情勢、難民移民問題、南シナ海東シナ海権益問題、etc…。もたらされるのは「何を信用してよいのかわからない」という戸惑いで、それはイコールより高い利回りを求めてうごめきだすカネを増やす。有事の金に加えて、ビットコインが久々に今日の新聞では大きく取り上げられていた。一方で不動産投資はどうもピークをうったっぽい。

▼ 正直、僕の稚拙なオツムでは何をどうしたらよいかわからない。ただ言えることは中学校の数学の先生が教えてくれた「わからなくなったら基本に帰る」だろう。右か左か、上か下か、好天になるか悪天になるかわからないのだとしたら、資産は流動性があるものを複数のバスケットに分けて持ち、本業を淡々とやり、方向性が見えるまで物静かに笑っている。それが意外と成功のような気もするのでありますが、ちょっと意気地なしだろうか。