• 2025年度本決算発表が終わったと思ったら、今度は第一四半期決算が発表され始めた。まことに時の流れは速い。まだ数社レベルでの発表なので、全体的な傾向について言及するのは無理だが、その数社レベルの決算を見てちょっと驚くのは業績の厳しさである。既存店増収率は低いとは言えども、さほど2025年度のそれと大きくは違ってないような数値だが、営業利益・経常利益・当期純利益は前年対比で「ウソッ!」と小さく叫びたくなるほど厳しい。その原因を知りたくて、利益増減分析をして違和感を感じるのは、1)客数のマイナス幅、2)販売管理費の増加、だ。「既存店増収率=客単価×言葉」だが、客単価が結構な「プラス」になっている一方、(買上)客数は若干驚くほどの「マイナス」であることが、決算補足資料などを見るといずこも共通している。
  • 確かに、と自分の消費行動、つまりは「極(く)私的(な)、消費行動(の)考察」をすると、この背景は腹落ちする。例えばコンビニエンスストア。昼食時に、家族が居ないときの夕食にと重宝する生活スタイルは変わらない。しかし、「あ~、腹減った」と入店して、よさげな商品を籠に入れようとするものの、価格タグを見て棚に戻すことが増えた。もちろん、そのレンジはピンキリだが、ちょっと旨そうなサンドイッチは三角サンドでもサブマリン型サンドでも300~400円台はする。飲物のペットボトルが150~200円であることを考えると、サンドイッチと飲物一本で450~600円だ。当然サンドイッチ一個では筆者の体型では厳しいので、もう1~2個と考えると1,100~1,400円となる。うーん、さすがにこれは懐に相当痛い。なので、食べたいものではなく、1)まずは値段を見てから商品に妥協して決めるか、2)総量=サンドイッチ3個の総量に制約をかけるしかない。実はしばしば、ペットボトル飲料を買わずにオフィスのウォーターサーバーで水やお茶を無料で飲むようになったりもした。一気に150~200円節約できるからだ。この時の気分はなんと言って良いのか、ちょっと生活困窮者になったような気持ちになる。
  • 「いや、これはダイエットには良い機会である」と前向きにミール三個買うところを二個にすれば良いが、さすがにそれは淋しい。となると、単価の安い袋パンや魚肉ソーセージ(本当です…)などに手を出している自分がいる。ところが、これらは腹はくちくなるのだが、袋パンは血糖値が急速に上がるせいなのか、食後ややもすると体が重く、眠たくなる。告白するが、気づくとノートパソコンのキーボードに涎を垂らして居眠りしていることもあった(汚いなあ)。魚肉ソーセージやチーズかまぼこスティックは、なかなかに味が濃い。喉が渇き、無料の水かお茶を求めて数回ウォーターサーバーに通い、腹パン(お腹がパンパンになること)となる。かといって、ビル地下の飲食街にランチを行った時の混雑にはゲンナリする。60代の消費者はワガママなのだ。ということで、最近編み出したのは「昼抜き」だ。見かけダイエットにも良さそうだし、どうしても食べたければちょっとだけ、プロテインバーなどを混んでいる昼時をずらしてコンビニに買いに行けば、レジ待ちストレス無しで買える。こう考えると、「客単価プラス×客数マイナス」という現状は見事に自分の消費行動にマッチしている。
  • などと書いている一方で、あれほど好きだった酒が飲めなくなった。あっと、これは夕食の話である。会食を含めて飲酒を伴う夕食を取る事が個人事務所を開設してから増えたのだが、以前はカパカパとビール、ウヰスキーや焼酎のソーダ割りなどを飲んでいてもケロリとしていたが、最近は酒量が減った。ひとつには翌朝の寝起きのしんどさを回避するということもあるが、胃が受け付けなくなり追加注文した焼酎ソーダ割りがほぼ手つかずのまま会計に向かう自分を見て、ちょっとビックリしたりしている。それでいて、酒量が減っても寝起きのしんどさはあまり変わらないのだからイヤになる。最近覚えた手は、途中でソフトドリンクや甘いカクテルなどもオーダーして、小休止をすることだ。しかし、親切な友人(もちろん、これは嫌味だ)が「甘いカクテルドリンクやチューハイの糖分は、肝臓や腎臓に負担かけるぞ」と脅してくるようになり、この作戦もやや使うことが減っている。これなどは「客単価のプラス」に貢献しようとしても、できなくなったケースだ。
  • しかし、なによりもテキメンなのは揚げ物だ。言うまでもなく若い時から壮年期までは、カツ丼を主食に、トンカツやアジフライを載せたフライ定食をおかずに食べてもなんの痛痒もなかった。いや、むしろ脳が「歓喜」の声をあげ、ドーパミンがドバドバと出ているのを痛感した。しかし、である。筆者に近くにセルフで商品を選べる惣菜屋さん(お弁当もある)があるのだが、大脳の昔の記憶に頼って揚げ物だらけの買い物をして、帰って食してからの後悔は半端ない。しかも揚げたてで温かければまた違うのだろうが、こういった惣菜は冷え切って、中には油がしみ出しているものも少なくはない。勿論、胃もたれする。そんな年齢になると、面白いもので「パブロフの犬」現象は本当で、流通業界誌で新店の売場に綺麗に陳列された天ぷらや唐揚げなどを見ても、「うーん」と唸るようになった。かといって、サラダや魚惣菜は単品単価が明らかに高い。そうすると、先ほどのコンビニランチの話と同じ行動となる。
  • 理由は分かっている。「加齢に伴う代謝の低下」だ。中高生(筆者は大学も、だけど)の「胃に歯がついている」ような感覚がいつの間にか消えてから、相当な時間が経つ。最近、どんな時間帯でも「旨いなあ」と食すことができるのは、麺類になった。ところがまた例の親切な友人がこうアドバイスする「饂飩だろうと蕎麦だろうと糖質過多だぞ。」と。その結果、食事を抜いたり、食べるものに偏りが出て、その反動で禁断の揚げ物をたべて、胃もたれで眠れなかったりする。あまり親切な友人は持たない方がイイ。日頃から、「高齢化社会」は「胃袋の数と容量が減る世界」であると述べてきたが、自分がそれに加担していると考えるとちと辛い。
  • かといって、バランス良い食事を自宅以外で食べるのは容易ではない。Ready to eatの食べ物は食中毒を防ぐために店で売っている加熱していることが多いし、菌の繁殖を防ぐために最新の注意を払っているため、サラダなどはどうしても単価が高くなる。かといって、かといって、ポテトサラダやマカロニサラダなどはカロリーオーバーだ。飲食店でも、昔風の「定食屋」は大幅に数が減ったため、トレーに取る料理で栄養管理するのは難しい。健康に気を遣った食事を供する飲食店のメニューは決して安くない。外食が健康にあまり宜しく無いという状況はあまり変わっていない。
  • 「客単価プラス×客数マイナス」は食品に限ったことではなく、衣料品や生活雑貨などでも同様の傾向が見られるのだが、今日は紙面が尽きた。「極私的消費行動考 衣料編・日用雑貨編」はまた別の機会へとすることとしよう。

(了)

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