▼ 日産のゴーン社長の年俸が高いフランス政府だかから文句を言われているとか。三菱自動車との連携も決め、一気にトヨタ、VWに次ぐシェア確保の夢が実現化しそうなところにこの「難癖」に、氏はさぞやおかんむりだろう。

▼ などと書いていたら朝刊では、英国のブリティッシュペトローリアムや米国のシティグループでも高額年収のトップが叱られているらしい。おやおや。ここでも顔を出すのはコーポレートガバナンスとやららしい。

▼ 自分の立場と整合性がないこと夥しいのだけど、本音のところ、ガバナンスやらでメリット得られるのはどなたですかね。創業者、経営者、従業員、取引先、消費者?。いえいえ、そうではありませぬ。「株主様」でございます。株主様には逆らえません、何と言ってもこの世の中で一番大切なオカネを出してくださっているのですから。

▼ でもですねぇ、本当にそうなんでしょうか。いつの時代から、汗して働く(含・経営者)ヒトよりも、お前らはオレのためにこうしろああしろと鼻くそほじりながら言うヒトが偉い時代になったんでござんしょ。しかも、この鼻くそ男の肩を持つために色々なカタカナ文字を探し出しては理論武装を固めておこぼれ貰う人たちもいたりして。

▼ それが経営者だろうと従業員だろうと何だろうと、最終的に「ケツを拭く人間」が偉いのでございます。メインバンク制の崩壊だのなんだのとかまびすしいけど、やっぱり銀行が偉いなと思うのは「ケツを拭く」覚悟を持っており、実際に「ケツを拭く」からであります。この覚悟を持っている限り、銀行にはねぇ、かないません。

▼ 流行のアドラー心理学とやらでは、「課題の分離」とかいう難しい理屈があります。わからないもんで、物知りの友人に聞いたら、「自分がケツ拭かなきゃいけない問題だけ真剣に考えて、後は鼻くそほじって知らん顔しろ。お前が顔を突っ込む話じゃない。」だそうで、なるほど。やっぱり「ケツを拭く」がキーワードのようで。今年の流行語大賞にならないかしらん。