▼ コロナ禍がはっきりと認識されたダイヤモンド・プリンセス号の事故が2021/2/1。あれから1年10ヶ月経つ中での混乱は今更書くまでも無いだろう。感染症やウイルスそのものの脅威も大きかったが、なによりも生活が一変したことは大混乱を巻き起こした。と同時に、withコロナ、ニューノーマルといった、「新しい時代への変化対応が重要」といった論調もまた、識者を中心に叫ばれた。意地の悪い言い方をすれば、識者やメディアにとっては「良い商売」になった。

▼ オミクロン株という新しい変異種が出て、それは2021年12月の現在も続いている。今は感染は落ち着いているが、変異種の脅威は消えていない。経口治療薬の開発が進んでいるが、ワクチンと同様に絶対数が当面は足りないことは明らかで、潜在的な不安は今なお消えない。

▼ 経済を回さなければとビジネスへの注目が更に強まるが、最も大きい影響はオフィスに出勤して業務をすることの是非だ。日本経済新聞の12/6記事「オフィスにさよなら?新たな「職場」をめぐる記事9選」( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC052XC0V01C21A2000000/?n_cid=NMAIL006_20211206_H )というまとめ記事はこの約2年の悩み、そしていまだに結論が出ていないことを如実に語ってくれている。

▼ 優良会員しか読めないので小見出しだけを抜き出せば、「必要なオフィス面積1/3 始まった解約ラッシュ」「オフィス完全解約『ブレスト必要ないですね』」「『解約やっぱりやめた』僕らがオフィスに戻る理由」。さらにオフィス継続でもオフィスの三密対策で形が変わったこと、「仮想オフィス」の創出などが詳細に述べられている。

▼ しかし、だ。朝の通勤電車は既に満員に近くなっている。オッサン上司が会社に出てこいと言うからだとメディアは書くが本当か?。結構若い社員もオフィスで業務をした方が家庭環境や書類や手続きの関係からメリットがあると思っている者も多いのでは無いか。

▼ 特に感じるのは、朝の電車もさることながら、オフィスでの会話と夕刻の一杯飲み屋だ。ZOOMにしろWebexにしろ、使い方に戸惑った以上に話している相手との空気感、距離感が分からず、本音の話や商談が出来ずに案件が決まらず困った向きが相当多いはずだ。社内の会議でも画面に映っている相手の横に、画面に映らず声も出さずに聞いている上司や同僚がいるかもしれない、そんな不安も本音を言えないという気持ちを助長したろう。実際、Windows10を使っている人間であれば、Windowsマーク+Gを押せば画面はそっくりそのまま録画出来る。案件会議でマイクロレコーダーを持ってこっそり録音することができるようなものだ。そんな場でマジ話ができるわけがない。

▼ ニューノーマル賛成派は在宅勤務で仕事が出来、なおかつ会議や打合せもプロセスの組み立て方などを話す業務に就いている人間が多いようだ。逆に、どうやって腹芸で顧客を落とすか、もしくは上席や同僚をその気にさせるか、そんなことは話すことはリモートではできない。だから結局は、出社して対面でオフィスで珈琲でも飲みながら廊下で立ち話をしたり、早めに退けることができる中17時過ぎに一杯飲み屋でレモンサワーを飲みながら、堰を切ったように話している人間が多いのでは無いか。二次会が閑散としていうというが、それは企業や組織の自粛令のせいだろう。もっと突っ込んだ話をしたいヤツは隠れ家的店で飲んでいるし、先日は立ち話をしているフリをして一次会からの返りに有楽町のガード下で飲んでいる若きサラリーマン、サラリーウーマンを五組も見たぞ。

▼ 人類が石器を作成史、肉食を開始し、脳が拡大したのは260-250年前と祝えている。出アフリカは180万年前だ。宗教儀式は60年前から、創造力の出現が10万円~7.5万年前。この頃が言語の獲得したと言われている。とすれば、たかだか2年間でこの7.5万年の間に培われたコミュニケーション方法が大きく変わるとはおおよそ考えにくい。言語無しのコミュニケーションも今の人類のベースとすれば200万年前だ。

▼ それらを考えると、どうもオフィス無用論と対面不要論は全く違う視点からものを見ているような気がしてならない。それは、今当然と思っている日本の源泉徴収が実は太平洋戦争から始まっていたりするのと同じ事では無いか。

▼ 最近気になるのが「100年に一度」という言葉の多様だ。香港は100年、中国から土地を借りたわけだが、その時の100年とは「永遠」という言葉と同義であった。それにくらべてると今の「100年に一度」の軽いことよ。そういえば、人間も100歳時代だそうだ。ほんまかいな。こんなストレスだらけの世の中で100年も生きるのか?。医療で活かされるのと、積極的に生きるのは違う話だろう。

▼ どうもこの2年間のしたり顔で「世の中は変わった」という意見にはうさんくささをかんじてならないのだが、どうだろう。

「オフィス不要論と対面不要論を分けよ」への2件のフィードバック

  1. おっしゃるとおり、流行?にながされ、本質を見失っている人たちも多いと思います。リモートと対面どちらも一長一短があるとは思いますが、個々のシチュエーションに合わせて、どう使い分け、バランスをとっていくことが大切だと感じます。

    PS 8段目のパラグラフ(人類が石器を作成〜)の文脈で年が円になっている箇所があるようです。

  2. おっしゃるとおり、流行?にながされ、本質を見失っている人たちも多いと思います。リモートと対面どちらも一長一短があるとは思いますが、個々のシチュエーションに合わせて、どう使い分け、バランスをとっていくことが大切だと感じます。

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