▼ 昭和38年生まれの自分はアナログ人間だとつくづく思う。仕事や趣味でPCやらスマホやらWebやらメールやらSNSやら使っていても、今ひとつ実感というか実態感というか、が湧かない。だから、各銀行が「ネットバンクを使いなさい」「通帳使う顧客には通帳代金支払って貰います」「スマホでさっと決済出来るアプリどうですか」と言われると、正直ムッと来る。そりゃ便利だろうけど、PCやスマホが壊れたり、新機種に乗り換えたり、IDやパスワードを忘れたとき、そして何より本当に銀行のシステムが信用できるんかい、と思う。あれだけATM止まったり、決済が突如できなくなるなんてことは、以前は無かったように思うぞ。

▼ ショッピングでもアプリだらけだ。毎日色々なECサイトやリアル店舗から、「アプリで買い物できるからインストールしませんか」「アプリを更新しましたので使ってください」「決済まで一気通貫でできるアプリできましたよ」とアプリ、アプリ、アプリ…。中には、「決済と一体化したアプリなので、XX銀行で新しい銀行口座を作りましょう」ときたもんだ。アホか。そんな簡単に公共料金やクレジットカードの引き落とし、そして生活費で使う銀行口座コロコロ変えるかよ。そんなことを考える暇があるならば、銀行業協会にでも働きかけて、公共料金、クレカ、給与振り込みなどをサービスの悪いA銀行からサービスの良いB銀行にサックリと移せるようなサービスでも開発しろよ。一件一件引き落とし口座を変更する手間ったらないんだから。

▼ 自分が長年愛用しているスマホがついにサポート対象外になるという。ウイルスやらなんやらに攻撃される脆弱性が生じるようだ。新しいスマホに買い換えねばならないだろう。しかし、その時にこれらのアプリはきちんと古いスマホから新しいスマホに移行できるのかね。有名なSNSのLINEは事前に「トーク」と呼ばれる友人知人との会話をどこかにバックアップしておかないと、新しいスマホに移行するだけでは過去の会話は総て消滅する。面倒くさいことこの上ない。また、他の色々なアプリだって、暫く使ってなかったり、新しいスマホに移行するとイチからIDとパスワードを入れて認証しないと動かなかったりする。出先で新しいスマホを使おうと思ったら、アプリからIDとパスワードを求められてなんだっけと立ちすくんで焦りまくる、そんな経験はだれにでもあるだろう。

▼ 顔認証や指紋認証にしても、これらの問題の解決にはならない。そもそもスマホを変えたら最初にIDとパスワード入れないと顔認証とか指紋認証が動かないんだから。おまけに使用しようとすると二段階認証とかで、もう一つのコード番号がメールやショートメールなどに飛んで、それを開かなければ元のアプリが使えない。しかもご丁寧に「有効時間は30分間です」ときたもんだ。そしてマーフィーの法則宜しく、そういう時に限って、PCやスマホがダウン(落ちる)する。あっという間に30分すぎて、イチからやり直し。

▼ ああ、もう書いていて面倒になってくる。「アプリで生活を便利に」という企業達は本心からそう思っているんだろうか。ポイントにしたって、財布は厚くなるけど、スマホで管理するよりハンコ押してくれるポイントカードの方がよほどわかりやすいし、便利だぞ。せめてスマホでポイント管理するならば、一つのアプリにしてくれよ。10件店や外食があったら、10個アプリ入れなきゃならないじゃないか。

▼ ITでDXでIoTでメタバースな生活が来るそうだが、それよりもそもそもこのアプリの使い勝手をよくしてくれよ、と昭和世代のアナログ人間は思うのである。実際、家人はスマホ持っていても、決済はリアルな現金かクレジットカードだけだ。小銭をじゃらじゃら言わせて持っている。最初は時代おくれだなぁ~と思っていたが、実は彼女の方が賢いんじゃないかなどと思う今日この頃である。

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