2024年はゴジラシリーズの第1作からちょうど70年。2023年11月には久しぶりの新作も公開予定となっています。ほぼゴジラと共に人生を歩んできた私として、70年のゴジラの歴史をここにまとめてみました。ちなみに私にとってのゴジラとは東宝の特撮によるゴジラですので。念のため。

  1. ゴジラシリーズの概要

東宝におけるゴジラシリーズとは大きく分けると

➀1954年の初代「ゴジラ」より1975年、15作目「メカゴジラの逆襲」に至る昭和ゴジラシリーズ。

②1984年の16作目新「ゴジラ」から1995年の22作目「ゴジラ対デストロイア」に至る平成ゴジラシリーズ。

③1999年の第23作目「ゴジラ2000ミレニアム」から2004年の第28作目の「ゴジラ FINAL WARS」に至るミレニアムゴジラシリーズの3部に分かれ、その後2016年の「シン・ゴジラ」。2023年11月公開予定の「ゴジラ-1.0」へと続く映画シリーズである。

(ウイキペディア「ゴジラシリーズ」へのリンク)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B8%E3%83%A9%E6%98%A0%E7%94%BB%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

  • 昭和ゴジラシリーズ

初代「ゴジラ(1954年)」

記念すべき東宝ゴジラ第1作。終戦から10年足らず、米ソの対立で次は核戦争か?の不安が残る世相の中、本作品の水爆実験で安住の土地を奪われたゴジラが東京に上陸して破壊の限りを尽くすというストーリーは日本の全国民に響き、空前のヒットとなり国民の10人に一人がこの映画を見ることになった。この映画の成功はやはりゴジラやゴジラが暴れまわる「特撮」を映画として完成させたことにあるだろう。その立役者は「特撮の神様」円谷英二である。ちなみに私は終戦直後の日本に出現した天才が二人いて一人は手塚治、そしてもう一人は円谷英二だと思っている。もしこの二人がいなければ日本のアニメや特撮はよほど違ったものになっていたと確信する。

最後にゴジラは戦争で身にも心にも傷を負って世捨て人のように研究を続けてきた、ある種ゴジラと同じ戦争の犠牲者である芹沢博士の発明した超破壊兵器「オキシジェンデストロイヤー」によって海底で骨となり消えていく。別に演技をするわけでもなく当然セリフもなくただただ破壊し死んでいったゴジラであったが観客の支持は絶大で「なぜゴジラを殺したんだ?」「ゴジラがかわいそうだ」という抗議の声があがった。東宝幹部はこの人気に「怪獣は売れる」と確信、その後長く続く怪獣映画はここに始まったと言える。

その後、この「オキシジェンデストロイヤー」と言う意味不明ながらも何かカッコいい最終兵器とゴジラの完全に死んだのかそれとも骨だけ残ったのかは後日のゴジラの大きな課題になっていく。

「キングコング対ゴジラ(1962年)」

「ゴジラ」の大ヒットを受けその後15作のゴジラ映画が作られるのだが数ある中で第三作目の「キングコング対ゴジラ」を取り上げたい。世間ではこの映画をしてゴジラを核兵器が生んだ禍々しい怪物から人間が怪獣や宇宙人で困ると何処からともなくふらりと現れる寅さんのような大衆的スターに向かわせたとして評判は良くないのだが、今見てみるとその「当時の現在」が面白い。
この映画の主役はもちろんゴジラとキングコングなのだがこの二人を日本に呼び込んだのは当時勃興してきたテレビの視聴率を上げたいスポンサーで、特にキングコングを呼び込んだスポンサーであるパシフィック製薬の宣伝部員たちの昭和っぷりなドタバタが本当に面白いのだ。宣伝部長の有島一郎は随所に小演劇仕込みの小ネタを繰り出しながら「キングコングのスポンサー」として様々な場所にしゃしゃり出てくる。そんな有島に部下の高島忠夫や自衛隊までもが「そりゃあないよな」な感じで振り回される。ストーリーもご都合主義で当時の「サラリーマン社長シリーズ」に重ね合う。その中でも特にご都合感が満載なのは高島忠夫の妹に扮した浜美枝だろう。ともかく彼女は異常なほど災難に出くわすウルトラ不運な女性で乗った列車はゴジラに投げ飛ばされる、帰ってきた東京ではキングコングに気に入られ、さらわれたあげく国会議事堂へのデートに付きあわされるなどとてつもない不運ぶりである。そしてキングコングと言えば美女の悲鳴と言う事で彼女は実際に喉が枯れるほど何度も悲鳴をあげたのだが、その悲鳴がハリウッドの目(耳?)に留まり後日、日本が舞台となった「007は二度死ぬ」のボンドガールに抜擢されたのであるから実体の彼女にとっては不運どころか大幸運だったのだろう。ともかくこの「キングコング対ゴジラ」でゴジラ映画の基本パタン「ゴジラはなかなか出てこず、満を持して登場する」「人間側の主人公は偉い人とかゴジラ退治者ではなくゴジラと深く関わった民間人」が確立する。

その後昭和ゴジラシリーズはモスラやキングギドラなどの大スターを生むとともに当時の米ソ宇宙開発競争に影響され宇宙人なども登場し蘇生や時間移動などストーリーが何でもあり化してしまい沖縄返還後のゴジラではシーサーまで怪獣にされてしまう。しかしシリーズの「友達でも無い怪獣が団結して外敵と戦う」や「人類が怪獣を一堂に集めてパークを作る」などのアイデアは後の「アベンジャーズ」や「ジェラシックパーク」などにも影響を与えたと思う。しらんけど。

以下続く。

「竹垣吉彦 ゴジラを語る①」への2件のフィードバック

  1. 懐かしい名前が
    次々出て来ました。

    これからも

    楽しみにしています。

    1. コメントありがとうございます。
      ゴジラ映画にはどうしても出たいと言う人がいて、先週公開の「ゴジラ-ゼロ」でも橋爪功さんがセリフも無い通行人で出てました。

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